事業承継の各種スキームやスケジュール等、必要なノウハウを詳細にご説明いたします。

MBO

MBOについても触れておきます。MBO(Management Buy-Out)はもはやメジャーな言葉になりつつありますが、一応説明しますと、会社の経営陣(マネージメント)が、オーナーから株式を取得して、事業を継続することを言います。株式取得資金は、経営陣の自己資金や会社の財産や収益力を担保にした、金融機関やファンドからの融資や出資です。
会社の価値がそれほど大きくない場合や経営陣が自己資金を多額に所有している場合は、株式をオーナーから買い取ればよいのですから、それほど問題はありません。会社の価値が大きい場合は、オーナーに退職金を出したり、事業承継に不必要な資産や事業部門を除くことにより、対象となる株式や事業部門の価値を小さくし、購入金額そのもの少なくすることも行われます。しかし、そのようなことをしても経営陣の自己資金で購入できない場合は、金融機関やファンドから融資や出資を受けます。その際に使用される手法がLBO(Leveraged Buy-out)です。LBOとは、会社を買収するに当たって、その買収資金を大半を有利子負債でまかない、この有利子負債を買収された会社のキャッシュフローで返済するというM&Aのファイナンス手法のことをいいます。
ちなみにレバレッジとは梃子(てこ)のことですが、借入金を利用して、より大きな投資を行うことを言います。少し、分かりづらいかもしれませんが、自己資金100の投資で得られる利益10とすると、他人資本(借入金)200を追加で利用して、利益をより大きく25にする、というイメージです。この借入金が梃子の原理のように利益を大きくするので、「レバレッジ」などと言われます。

典型的なステップは以前に記載した通りです。
@経営陣やファンドなどが受け皿会社(SPC)を設立する。

A受け皿会社がファンドや金融機関から資金調達を行う。
 この場合の資金調達は借入金で、通常はノンリコースローン(対象会社の株式と対象会社の資産のみが担保であり、受け皿会社の出資投資家は担保保証をしない)です。

B受け皿会社は借入金と出資金を原資として、対象会社の株式を買い取って100%子会社とする。

C受け皿会社が対象会社を吸収合併する。
 受け皿会社の借入金は、対象会社の営業キャッシュフローで返済されることになります。

買収調達金である借入金を、会社の営業キャッシュフローで返済しますので、ファンドや金融機関にとってもリスクが高いので金利も高いです。しかも、従来から設備投資や資金繰りのための借入金がある場合などは、借入金が合算されて多額になります。従いまして、よほどの営業キャッシュフローが黒字の優良会社でないとスキーム自体が成立しません。

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月岡公認会計士事務所

税務 会計 事業承継は東京 千代田区 月岡公認会計士事務所

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