事業承継の各種スキームやスケジュール等、必要なノウハウを詳細にご説明いたします。

納税資金の確保A

納税資金の確保の仕方の続きです。

B 自社株の会社への売却(金庫株)

後継者が自社株を相続したが、それによる相続税を支払えない場合には、会社に自社株を買ってもらいます。

ただし、注意していただきたいのは、購入にはいくつかの留意点があります。
@ 株主総会の決議がいること(その際譲渡を希望する相続人は、議決権がありません)
A 会社法上の財源規制を満たしていること
B 実際に会社に買い取り資金があることなど
が前提となります。この買い取り資金を確保するために、会社が受取人となる保険を活用されたら良いと思います。この自社株の購入に関しては、一定の税務上の配慮がなされていて、相続開始後3年10ヶ月以内に譲渡すれば、みなし配当課税ではなくて、譲渡所得課税20%が適用されます。さらに「取得費加算の特例」も使用できますので、譲渡所得が圧縮できます。ただし、3年10ヶ月を超えた場合には、みなし配当となり総合課税ですから、最高税率50%が課される可能性があります(しかし、配当控除が適用できますので、若干低くなります)。
上記のように書くと、譲渡所得の20%の税率が低い気もしてきますが、実際は相続税を支払うために更に多額の所得税・住民税を支払うことになりますので、とても素晴らしい方法とはやはり言えないと思います。

自社株の購入と似たバージョンで、生前に会社を分割しておき、相続した二つの会社の株式のうち、一方の会社の株式を別の会社に譲渡する方法もあります。これにより納税資金を確保します。この方法は、自社株式の取得には該当しませんので、財源規制等のしばりがありません。ただし、とても技巧的です。会社は生き物ですから、相続税対策のために会社を分割することが、会社継続を差し障る様々な問題を引き起こす恐れがないか、よくよく検討する必要があります。

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