事業承継の各種スキームやスケジュール等、必要なノウハウを詳細にご説明いたします。

自社株の評価方法

自社株式の評価の話です。退屈な話ですが、自社株評価対策の前提になりますのでご容赦ください。

事業承継のお話の中で、株式の移動は必ず生じるイベントです。第三者に対する株式の売却などのM&Aでは、なるべく株価を高くすることに主眼を置きますが、身内に株式を移動する場合には、コストを最小限にすることに主眼を置きます。この場合、最大のコストは税金です。譲渡の場合の税金は、譲渡価格から取得原価等を差し引いた譲渡利益に対して、譲渡した側が課税されますから、譲渡価格が低ければ税金も少なくなります。一方で、贈与の場合は、贈与を受けた側が贈与された株式の評価額に基づいて、贈与税が課されます。いずれにしても、税金を少なくするためには、株価をなるべく低くすることが重要になるのです。この株価の算定は、税務上の評価額が基準となります。
 取引相場のない株式の評価方法は大きく分けて、2種類です。
@ 原則的評価方法
A 例外的評価方法

例外的評価方法は、支配グループに属さない株式の評価方法に使用されるもので、配当還元方式と呼ばれます。過去に行われた配当の実績から、評価をします。基本的には配当期待権なので、評価額は比較的低いものとなります。しかし、事業承継の場合には、支配グループと関係がないという場合はほとんどないので、あまり登場しません。
ほとんどの場合は、原則的評価方法です。この評価方法にはさらに2つの評価法に分かれます。
@ 純資産方式
A 類似業種比準方式

純資産方式とは、会社の純資産を基づいて株価を算定します。資産をすべて、相続税法上の評価額で計算し、含み益については、その42%控除します。
類似業種比準方式とは、会社と類似業種の上場企業の株価を基礎に、配当、純資産、利益の3要素を比較して、株価を算定する方式です。
さらに、会社の規模を総資産価額・従業員数、取引金額から大会社、中会社の大・中・小、小会社の5区分に分けてます。この区分に応じて、純資産方式と類似業種比準方式の併用割合が定まっています。類似業種比準方式の割合が大会社から順に100%、90%、75%、60%、50%です。残りの割合はすべて純資産方式です。ただし、純資産方式の株価の方が低ければ、純資産方式の評価額を採用できます。

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月岡公認会計士事務所

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