事業承継の各種スキームやスケジュール等、必要なノウハウを詳細にご説明いたします。

自社株・事業用財産等の分配

事業承継における株式・財産の分配についてです。基本的な考え方です。

以前にも少し書きましたが、後継者は代表権を得ただけでは、不十分です。経営権を確固たるものにするためには議決権を得なければなりません。そのためには、相当数の議決権を得なければなりません。中小企業の経営は、大企業とは違って、フットワークのよさ、実行力が競争力の源泉の一つです。これは、社長がこれをしようと決めたら、一斉に会社(社員を含む)が動く必要があり、その動かす法的根拠となるものが議決権です。従いまして、できれば後継者単独あるいは信用できる者と合わせて2/3以上の議決権を保有させたいものです。最低限、過半数です。もちろん、事業承継の当初から大きな議決権を渡す必要もありませんが、事業承継後数年を経て、実質的にも問題がないと思われたら、議決権の移動してください。中には後継者の経営が心配で、死ぬまで過半数は渡さなかったという心配性な方もいらっしゃいます。これも一つの考え方だと思いますが、事業承継後何年もしても株式を手放さないのは、後継者も面白くないだろうと思います。モチベーションに影響しますので、実質的に経営権がはっきりと移動したのなら、資金負担が許す限り、株式も相当程度移動すべきです。
また、株式のみならず、事業に必要な資産も後継者に移動させる必要があります。事業の基礎となる財産を確実に後継者に集めるのです。
しかし、民法上は法定相続分が定められていますし、生前贈与や遺贈の場合も、遺留分の制限(相続財産の1/2の法定相続分)があります。遺留分が請求され、相続がなかなかまとまらないという状況は、経営に重大な影響を与えるものとなります。従いまして、後継者以外の相続人への配慮が非常に重要となります。財産が完全に平等になる必要はありません。他の相続人が主観的に公平であると納得すれば良いのです。説得という作業も非常に重要だと思います。いずれにしても、社長にとっては、親族内事業承継の最も重い課題のひとつです

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月岡公認会計士事務所

税務 会計 事業承継は東京 千代田区 月岡公認会計士事務所

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