事業承継の各種スキームやスケジュール等、必要なノウハウを詳細にご説明いたします。

会社分割の利用

組織再編を使った事業承継のお話です。

私は、事業承継にあたって株価対策や税務上の観点からのみ行われる組織再編については、疑問を持っております。しかし、相続人間の争族を回避する目的で行われる組織再編は、結局のところビジネス上の環境を整備するという意味で望ましいと考えております。

例えば、会社に2種類の事業がある場合で、相続人が兄弟で2人とも会社に入っている場合などでは、2事業を会社分割によって2つの会社に分けて、兄弟にそれぞれの会社の株式を相続させる方法です。これでしたら、各相続人が各会社に対する責任を有するため、争族を回避しやすくなります。

しかし、1種類の事業しかやっていないメーカーの場合は、1社を製造会社と販売会社に分割する方法もありえますが、川上と川下では喧嘩になりやすいので、避けたいところです。もし、1種類の事業しかやっていない場合であっても、会社が不動産や有価証券などを保有する場合には、事業会社と資産管理会社として、2種類の会社に分割するのも良いと思います。特に事業の後継者が複数の相続人のうちの1人のみという場合には、他の相続人を資産管理会社の株主にし、後継者を事業会社の株主とすることで、他の相続人の権利を確保しやすくします。また、事業承継をする後継者が親族以外の場合であっても、事業会社の株式のみを後継者に譲渡することにより、譲渡代金を比較的低く抑えることができます。

ただし、上記の会社分割が税務上の一定の要件を満たさないと、税金が生じる場合もありますので、実行に当たってはよく注意してください。

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月岡公認会計士事務所

税務 会計 事業承継は東京 千代田区 月岡公認会計士事務所

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