事業承継の各種スキームやスケジュール等、必要なノウハウを詳細にご説明いたします。

個人保証の解除

個人保証のお話です。

事業承継の際に、よく問題となるのが個人の債務保証や担保の問題です。中小企業の場合は、社長個人が債務保証することなくて金融機関から融資を受けられるということはまずありません。従いまして、事業を承継して経営者になるということは、会社の負債を背負うことと一緒ですから、社長の親族でも躊躇するのです。

一方で、金融機関からすれば、社長個人の経営力を評価して、融資をしているという立場ですから、経営者が変わったからといって、すぐに前社長の個人保証をとってくれるわけではありません。一般的には、前社長と新社長とがともに個人保証をすることになります。ここに大きな問題があります。社長としてみれば、社長を辞めたのですぐに個人保証を外してもらいたいという気持ちがあります。金融機関とすれば、新社長の経営手腕はよくわからないので、新社長にも監督させるという意味で前社長の個人保証を外したくないという気持ちがあります。
もちろん、新社長としてみれば、個人保証する借入金をなるべく少なくしてもらいたいという気持ちがあります。

こうした三者それぞれの思惑を鑑みるとき、最も望ましいのは、社長を交代するという時には出来るだけ借入金を圧縮させておくということです。金融機関には、新社長の人となり、経営手腕を理解してもらい、新規の融資は新社長のみが個人保証をするという形にするべきです。

また、前社長の所有する個人財産に対する担保が設定されている場合も基本的には同様です。事業承継時になるべく借入金を圧縮して、担保設定を解除してもらう方向に話を進めていく必要がありますが、新社長にそれに代わる財産がない場合はなかなか難しいのが実情です。

いずれにしても、個人保証や個人財産の担保設定を外すためには、金融機関に対しては粘り強い交渉が必要になります。そうしてようやく新社長のみの個人保証となったときに、新社長がその負担に耐えられるように、それなりの報酬を社長となったときに確保しなければなりません。

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月岡公認会計士事務所

税務 会計 事業承継は東京 千代田区 月岡公認会計士事務所

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